コースティクスの設定は難しい。
難しい理由のひとつは、レンダリングに用いるいろんな設定を
ほとんど総動員しないと正しく描画されないからだと思う。
そこで、
1.シェーダー(マテリアル)の設定
2.ライトの設定
3.レイ・トレーシングの設定
4.コースティクスの設定
5.ファイナルギャザーの設定
と区切って、順番に設定していくとまだわかりやすい。
特に1.2.3.が終わった時点でしっかりした絵が出来ていないと
4.5.に進んでも満足の行く結果は得られない。
1.シェーダー(マテリアル)の設定
・透明な素材に正しい反射率・屈折率が設定されているか
反射・屈折率に自身がない場合はmia_materialのガラス系プリセットを
調整して使用すると手っ取り早い。
・色に合わせて正しい透明度が用いられているか
色つきのガラスなどは色の分透明度が落ちる。サンプル画像のガラスの
透明度[Trancparency]は70~90%(色によって異なる)
2.ライトの設定
・コースティクスに適したライトが用いられているか
適しているライトはポイント・スポット・エリアライトなど現実に近い効果を
設定できるライト。アンビエントライトはフォトンの放出ができないのでNG。
ディレクショナルライトも、減衰率の調整が出来なく拡散もしないので不向き。
・正しい強度・減衰率が設定されているか
リアリティを求めるのであれば減衰率[Decay Rate]は[Quadratic]がお勧め。
その場合ライトの強度[Intensity]は高くなる。
サンプル画像ではポイントライト1灯、Intensity 60、Quadraticという設定。
3.レイ・トレーシングの設定
・正しい反射・屈折回数が設定されているか
透明なものをレンダリングする際の基本かつ最重要項目。
詳しくは過去ページ「透明な物体のレンダリング」を参照。
サンプルでの設定は Reflections 4、Refractions 4、Max Trace Depth 6
ここまでの設定が終わった状態でのサンプル(コースティクスなし)
ここで問題がなければいよいよコースティクスの設定を行う。
4.コースティクスの設定
1.ライトからフォトンを放出する
ライトのアトリビュート内[mental ray]枠内[Caustic and Global Illumination]を
開き、[Emit Photons]にチェックを入れる。
2.コースティクスを使用する
Render Settingウインドウ内の[Caustics and Global Illumination]枠内の
[Caustics]にチェックを入れる。 その後[Photon Tracing]枠内の
[Photon Reflections]に3.で設定した[Reflections]と同じ数値、
[Photon Refractions]に3.で設定した[Refractions]と同じ数値、
[Max Photon Depth]に3.で設定した[Max Trace Depth]と同じ数値を入れる
5.ファイナルギャザーの設定
4.で十分なコースティクスの効果が出たら、仕上げにファイナルギャザーを用いて
調整を行う。ファイナルギャザーの設定は過去ページ
「手軽なグローバルイルミネーション設定(IBLなし)」を参照。
ライトを配置しているぶん環境光を暗めに設定したほうが良い。
以上の手順で、冒頭のレンダリングイメージが作成できる。
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初めまして。
返信削除ついこないだからマヤの勉強を始めていろいろ参考にさせていただいてます。
とってもわかりやすい実用的なメモで感激です。
コメントありがとうございます。
返信削除間違いなどもあるかもしれませんので、おかしな点がありましたらご指摘お願い致します。