2010年4月25日日曜日

Maya 2011 ファーストインプレッション

Maya2011_img



Maya 2011がリリースされて半月ぐらい?ぼちぼち触ってみた感触などまとめ。
Twitterでいろんな方がつぶやいてた内容も参考にしてます。
 
 
・Maya自体は起動が重く、操作は軽くなったような気がする



・Qtに変わったUIはそれほど以前と操作感が変わっておらず安心して使える
 (2010までのチュートリアル資料をほとんどそのまま使用することが出来た)



・黒UI白文字の概観は、起動のショートカットにフラグを加える事で白UI黒文字にできる
 例) C:\Program Files\Autodesk\Maya2011\bin\maya.exe” -style plastique
 これに加え、ビューポートのグラデーションをOFFにすると、そこそこ以前と同じ雰囲気になる。

Maya2011_ui2


・ MELによるUI構築は、Qt Designerでも旧来の方法でも可能。QtUIを使用する場合は、
 保存した.uiファイルを毎回参照するので、MELと一緒に管理しておく必要がある



・ViewPort2.0はリッチな描画で処理速度も速いが、選択状態やFluidなど
 表示されないものも多い印象。なにかの操作で表示されるようになるのか?
 あと、グラフィックカードの種類によって機能自体使用できないという報告も何件か見た。



・新しく使えるようになったベジェ・スプラインカーブは、やっぱり使いやすい。
 ただ、3Dでベジェのハンドル操作というのは以外にイメージし難く、慣れが必要な印象。



・RenderSettingのMentalRay設定がタブによる複数ページ型に変更。
 各アトリビュートは探し直しになるが、一度見つけるとこちらの方がよくまとまっている印象。



・MentalRayのIPRがRenderRegion(レンダリング範囲)を指定しないと動かない。
 2010以前からこんな仕様だったか、今回からの仕様変更かが思い出せない。



・FuildのAutoResize機能、ON/OFFでFuildの挙動が全然違うという報告あり。
 面倒だけど、まぁシミュレーションだし当然といえば当然のような気もする。



・nParticle、Fuildは若干安定度が増しているような。気のせいかもしれない。
 
 
現状ここまで。
今後HumanIKとnParticleの新機能を触ってみたいが、時間が取れるかどうか。



ちょっと前からMaya2011の30日体験版がダウンロード可能になっているので
プライベートで触る事もできるが、
日本語マニュアルの配布が5月末から
だそうなので、それ以降に試したほうがいろいろわかるかも。
 
体験版ダウンロードは以下から。
http://www.autodesk.co.jp/maya-trial



2010年4月21日水曜日

パスに沿って均等にポリゴン分割されたパイプの作成

Pipe_model
 
ポリゴンモデルでパスに沿って均等に分割されたパイプを作成する方法。
通常の「パスに沿って押し出し」と比べて、ポリゴンの分割が均一になるので
UV展開やその後の加工が楽になる。
 
 
1.パイプのルート形状、断面形状をカーブで作成。ルート形状の始点と断面形状の中心は
 原点に置くと形状を把握しやすい。



2.断面、ルートの順で選択した後、[Animate]→[Motion Paths]→[attach to Motion Path■]
 以下のように設定し、実行する。
  [Time range]を[Start/End]
  [Start time][End time]に任意のタイム(長いほど、最終的に細かいポリゴン分割になる)
  [Follow]にチェックを入れる
  [Front axis]を[Z]
  [Up axis]を[Y]
  [World up type]を[Scene up]
 ルート形状に沿って断面形状のカーブが移動するようになる。 
 
3.アニメーションタイムスライダーを動かし、Start~End timeでルートパスの始点~終点を
 断面形状が移動することを確認。
 グラフエディターで断面の移動アニメのfカーブがリニアになっていることも合わせて確認する。
 
4.断面形状を選択し、[Animate]→[Create Animated Sweep■]
 以下のように設定し、実行する。
  [Time range]を[Start/End]
  [Start time][End time]に2.で入れた数値と同じ値を入力
  [By time]に任意の数値を入力
  (End time - Start time)÷By time でサーフェイスの密度が決まる
  [Parameterization]を[Uniform]
  [Surface Degree]を[Linear]
  [Surface] 開いた形状ならば[Open]、閉じた形状ならば[Close]
  [Output geometry]を[NURBS]に
 以上で均等なメッシュのナーブスモデルが出来上がる。



5.出来たナーブスモデルを選択し、[Modify]→[Convert]→[NURBS to Polygons■]
 以下のように設定し、実行する。
  [Attach multiple output meshes]と[Match render tessellation]のチェックを外す
  [Type]を[Quads]
  [Tessellation method]を[General]
  [Initial Tessllation Controls]枠内、
  [U type]を[Per span # of iso params]に
  [Number U]を[1]に
  [V type]を[Per surf # of iso params in 3D]に
  [Number V]に断面形状のポリゴン分割数を入力
 
 
不要なカーブ・ナーブスモデルを削除して、完成。





2010年4月12日月曜日

Qt Designer の入手方法

Maya2011からGUIがQt(キュート)を用いたものに変更になった。
MELでGUIを作成する場合にも以前の作り方に加えて、Qt Designer で作成した
GUIを読み込んで使用することができる(らしいが、まだ試してない)
 
そのUI作成ツール「Qt Designer」の入手方法。無料。
 
 
・Qtは、クロスプラットフォームのアプリケーション・UI開発フレームワーク
・Qt Designerは、Qt SDKに含まれるUI作成ツール
・Qt SDKのライセンスは有料の商用版と、基本無料のLGPL版がある

 
 
ライセンスについては使用方法に合わせて正しく選択する必要があるが、
個人的な用途であればLGPL版で大丈夫な筈。



ダウンロードは以下のページから
http://qt.nokia.com/downloads-jp



Qt_001



1.上部タブで「LGPL/無償ダウンロード」を選択
2.Qt Designerがあればいい場合は、右の「フレームワークのみ」下の対応OS版を選択
3.ダウンロードしたファイルを実行、インストールを行う
4.[全てのプログラム]→[Qt by Nokia Ver.*.*.*]→[Designer]を選択
 
Qt Designerそのものの使用方法は現在勉強中。



2010年4月1日木曜日

コースティクスの設定

Caustics_001



 
コースティクスの設定は難しい
難しい理由のひとつは、レンダリングに用いるいろんな設定を
ほとんど総動員しないと正しく描画されないからだと思う。
そこで、



1.シェーダー(マテリアル)の設定
2.ライトの設定
3.レイ・トレーシングの設定
4.コースティクスの設定
5.ファイナルギャザーの設定



と区切って、順番に設定していくとまだわかりやすい。
特に1.2.3.が終わった時点でしっかりした絵が出来ていないと
4.5.に進んでも満足の行く結果は得られない。
 
 
1.シェーダー(マテリアル)の設定
 ・透明な素材に正しい反射率・屈折率が設定されているか
  反射・屈折率に自身がない場合はmia_materialのガラス系プリセットを
  調整して使用すると手っ取り早い。

 ・色に合わせて正しい透明度が用いられているか
  色つきのガラスなどは色の分透明度が落ちる。サンプル画像のガラスの
  透明度[Trancparency]は70~90%(色によって異なる)
 
 
2.ライトの設定
 ・コースティクスに適したライトが用いられているか
  適しているライトはポイント・スポット・エリアライトなど現実に近い効果を
  設定できるライト。アンビエントライトはフォトンの放出ができないのでNG。
  ディレクショナルライトも、減衰率の調整が出来なく拡散もしないので不向き。

 ・正しい強度・減衰率が設定されているか
  リアリティを求めるのであれば減衰率[Decay Rate]は[Quadratic]がお勧め。
  その場合ライトの強度[Intensity]は高くなる。
  サンプル画像ではポイントライト1灯、Intensity 60、Quadraticという設定。
 
 
3.レイ・トレーシングの設定
 ・正しい反射・屈折回数が設定されているか
  透明なものをレンダリングする際の基本かつ最重要項目。
  詳しくは過去ページ「透明な物体のレンダリング」を参照。
  サンプルでの設定は Reflections 4、Refractions 4、Max Trace Depth 6
 



Caustics_002



ここまでの設定が終わった状態でのサンプル(コースティクスなし)
ここで問題がなければいよいよコースティクスの設定を行う。
 
 
4.コースティクスの設定
 1.ライトからフォトンを放出する
  ライトのアトリビュート内[mental ray]枠内[Caustic and Global Illumination]を
  開き、[Emit Photons]にチェックを入れる。
  



Caustics_003



 
 2.コースティクスを使用する
  Render Settingウインドウ内の[Caustics and Global Illumination]枠内の
  [Caustics]にチェックを入れる。 その後[Photon Tracing]枠内の
  [Photon Reflections]に3.で設定した[Reflections]と同じ数値、
  [Photon Refractions]に3.で設定した[Refractions]と同じ数値、
  [Max Photon Depth]に3.で設定した[Max Trace Depth]と同じ数値を入れる



Caustics_004



 
5.ファイナルギャザーの設定
 4.で十分なコースティクスの効果が出たら、仕上げにファイナルギャザーを用いて
 調整を行う。ファイナルギャザーの設定は過去ページ
 「手軽なグローバルイルミネーション設定(IBLなし)」を参照。
 ライトを配置しているぶん環境光を暗めに設定したほうが良い。



以上の手順で、冒頭のレンダリングイメージが作成できる。




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